夢に向かって

35期生 宇田 奈津美

わたしが、頑張れる理由は、ただ一つ。祖母のおかげです。

クラッシックギターを習い始めたのも祖母が小学校の入学祝いにプレゼントしてくれたからです。毎日欠かさずやる練習、どんな長時間でも祖母は何も言う訳でもなくただ黙って付き合ってくれました。

それは今も変わりありません。そして最後に必ず大きな拍手をくれます。

幼い頃から変わらないこの“やさしい時間”がわたしに教えてくれた事は『やり続ける』ことの大切さでした。どんな時も諦めないで やり続けたとき夢は叶うという実感です。

わたしは音楽についてこう思います。例えば何かあったとき、相手がいくら思って言ってくれたとしても、時には言葉はうるさく感じ、まっすぐ心の中に入ってこない事がありませんか? そんなときその人にとって好きな音楽は心のふかいところにそっと入ってきて寄り添い癒してくれ、いつの間にかそんな事を忘れたかのように前向きな気持ちになっている事が良くあります。

音楽は心で聞くものだと思います。言葉の壁、国境を越えて、人の心に寄り添い励ます事のできる音を奏でる奏者になる事がわたしの夢です。

果てしなく遠い夢だけれど、“おばあちゃん”からもらったギターを大切にして、ゆっくりと夢に向かって頑張っていこうと思います。
【2010年 日本ギターコンクール・オヌール(プロ)部門 3位】